トロンボーンって何ですか?難しいです!

トロンボーン関係の記録のためブログに残します。

Decisions – Michael Dease

現代のトロンボーンは、全員超絶テクニシャン。
その中でも多分飛び出ているMicael Deaseの新譜です。

apple musicってすごく便利です。
今、仕事の関係で車に乗ることが多いのですが、
その時さっと聴きたいときに、わざわざ購入してダウンロードしてiPhoneに入れて、という手順を
踏まずに、新しいものがさっとチェックできるという。
ミュージシャン側からたまったもんじゃないかもしれませんが、聴く側としては非常に便利ですね。

で、朝6時くらいに80kmほど延々と山道をドライブしている時に、
micael deaseの新譜が聴ける!とウキウキして流したのですが。。。
なんだか1曲で、疲れて止めてしまいました。
なぜ?自分でも不思議です。michael dease好きなのに。
音色◎、音程◎、リズム◎、フレーズ◎、マイケル・ラスプレイヤー◎
欠点がないのに。

で、その後も頑張って何回か聴いてるんですが、やっぱり疲れてやめてしまう。
コンテンポラリーなフレーズの連続が疲れる原因なのかとも思っているですが、
前回レビューしたsteve davesのsay whenは愛聴盤になっていて、今もよく聴くんですが、
steve davisも結構コンテンポラリーなフレーズです。
ただこちらは、間を使うのが凄く上手いんです。
michael deaseは音符の数がすごく多いので、それが疲れる原因なのかもしれません。
いくら美味しい料理でも、ずっと出てくると満腹で苦しくなっちゃいます。(TдT)

My 楽器 Pages 15 :Michael Rath - R10 Nickel Bell,Satin

2014〜
Michael Rath - R10 Nickel Bell,Satin

みんな大好きマイケル・ラス。
数年前、このモデルを吹いたことがあったのです。
それはそれは素晴らしい鳴りだったのですが、
そのときは財布が許さず、買わずに帰りました。
そして数日後、あるお店にセッションに行った所、
トロンボーンのプロの方が遊びで来られておりました。
その方の持っていたのが、まさにこれ。
「数日前、蒲田で同じモデル吹いたんですよ。」
「あ、昨日買ったものだから、それだよ。。。」
と、驚きの再会でした。
その方も一吹きで気に入ったとのことでした。

そしてそれから1年以上経ったある日、
ふと同じ蒲田のお店に行ったところ、
見覚えのある、銀色でサテンのかっこいいテナーが置いてありました。

新品かと思ったのですが、どうやら中古とのこと。
前オーナーは太管メインの方で、ほとんど吹かずに売ってしまったとか。
試しに吹かせてもらったのですが、
同じくたいそうよく鳴る楽器で、一発で気に入りました。

しかしお値段。なんと中古でも40万!
テナーに40万か。。。と大変悩んだのですが、
1時間近く悩みながら吹いて決めました。
あまり入ってくるものじゃないし、ここで見逃したらもう出会わないかも。
結果、この判断は良かったのじゃないかと思っています。
ちなみに2015年8月現在、買値で60万弱に値上がりしています。。。
これはちょっと円安の効果もあり、高すぎる感かと。。

このニッケルベルは大きな特徴になっています。
スターリングシルバーベルとイエローブラスの中間くらいに感じます。
非常によく飛んで行くが、銀ベルほどきつくはない。
サテンの効果は、そうでないのと吹き比べてみないとわからない気がしますが、
視覚効果は抜群。

スライドもライトウェイトニッケル、チューニング管支柱もないような、軽量なセッティングでありながら、吹き込んでも限界が非常に高いし、細かい動きもバッチリと、バランスに優れた楽器です。
設計がいいんだろうなと感心します。

しかし実はこの楽器鳴るには鳴るが、かなり硬い感じがありました。久しぶりにビッグバンドの練習に行くようになり、この楽器を持って行ってますが、ようやく柔らかくなってきて、更に抜けてきた感じがあります。
正直言って鳴り過ぎるくらい。
気をつけないと、サックスのアンサンブルとか簡単に押しのけてしまう気がします。

Marshall Gilkes - "Edenderry" featuring the WDR Big Band

www.youtube.com


Marshall Gilkes - "Edenderry" featuring the WDR Big Band
みんな大好きMarshall gilkes。
youtubeに公式で上がっていました。
こちらの方が見やすくていいですね。軽いし。

WDRビッグバンドを従えて、自身のオリジナルの曲アレンジですが、
泣ける美メロが素晴らしい。。。
指揮振りから始まるイントロ金管アンサンブルから、自分のソロに入った後の
世界の作り方がすごい。
アドリブももの凄い切れ味のタンギングで、メロディアスなフレーズを繰り出します。

このWDRビッグバンドをバックにした演奏は、
itunesamazon MP3で音源が出てるのでオススメです。
Koln : Marshall Gilkes & The WDR Big Band - トロンボーンって何ですか?よくわかりません!

Bach 16GL 特注品,King 3B

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左がBach 16 ネックパイプニッケル仕様
右がKing 3B マイナーチェンジ後のバランサー3ピースタイプ。
どっちもとてもいい楽器でした。
それぞれ村田陽一氏、片岡雄三氏選定品。
たくさんいろんな楽器吹いてきましたけど、結局、細管ならこの二つの機種のどちらか、ff吹いた時の鳴り方の好みで選べば問題ないような。あとはヤマハ
個人的には、この3Bすごくいい…(´`)
kingってこんなに良かったっけ?と思うくらいです。

Michael Rath R3

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みんな大好きマイケル・ラス。
ある知り合いの方のRath R3 ニッケルベル サテンフィニッシュ (F管なしバージョン)
中細管と思えないレスポンスで、誠に素晴らしい楽器でした。( ´ ▽ ` )
R3だとベルの作りがF管対応になっているので、ベル側の柱の位置が変わっています。
テナー管だとキュッと曲がっていてセクシー。


R3はAndy HunterやDennis Rollinsが使用しているモデルですね。
ラスはかなり音がフォーカスされて絞り込まれるところがあるので、
.525でも、他メーカーの.508くらいのボアのレスポンスがあるように感じます。
音色はぶっといです。
通常店頭在庫はないと思うので、試奏できず注文しなくてはいけないのが玉に瑕です。
この方は注文されたようです。

よくネタにしていますが、最近の海外楽器の値上がりは凄い。
2,3年前より10万くらい値上がりしています。
これもテナー管でさえ、おそらく50万弱。。。
F管付きだと70万弱くらいいくのではないでしょうか。
なかなか買えるものではありません。

室内楽団八向山

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2015/07/03
室内楽団八向山
@富山県 高岡文化ホール

思いもよらず、八向山、富山で聴けて良かったです。
多分1年に1回くらい、日本のどこかでくらいでしかやってないですからね。
このバンドも結成20年とは。。。
激しい曲の後の、向井さんの「20年前は息切れもしなかったんだけど。。。笑」というMCにクスリときました。

CDは絶版になっているのがもったいない。名盤なのに。
ライブは三者のガッツリ取り組みでした。
向井さんは相変わらずリズム感がすごい。
演奏を見るといつも連想するのが、歌舞伎の見栄とか、獅子の毛振りの感じですね。カッコイイ。
ただ、あの向井節をアマチュアが基礎能力が伴わないまま真似すると危険かと。。。
なんとなくうまそうに聞こえてしまうので。

中学校の時、家にあったCDを聴いてみたら、デタラメにしか思えなくてちょっとショックを受けましたが、今ならあの熱狂を理解できます(^o^)
自分的にはこの八向山でのピアノが一番好きです。
お客さんは満席でしたが、50代以降の方が大多数。
きっとホールの音楽友の会でチケット送られてきたし、山下洋輔って名前聞いたことあるから、とりま行ってみるかだったのでは。結構刺激の強いライブだったと思います。

スターリングシルバーベル

どこかのブログで、今のキングのスターリングシルバーベルは、真鍮の芯金に銀を融着させたもので、昔の銀板から叩き出したものと違うから音が違うみたいな情報がありました。

ほんまかいなと思って、いつもお世話になってる楽器屋さんから、輸入元に問い合わせてもらったのですが、
"昔から製法は変わらず、板から叩き出してベルを成形しております"
と返事がありました。
まあどっちを信じるといったら、ナカシマは輸入元の見解を信じますが、
そのブログの書き込みは、どこからそんな情報を仕入れてきたのでしょうか…

逆にそれを見て、どっかで「~らしいよ」とか言うと、色々と広まってしまうんですな。
情報をどこまで裏を取るか、どこを情報元にするかは、その人のセンス…(´`)
まあ、確かに音の感じは、昔のシルバーソニックと今のでは違いますけどね。

Say When : Steve Davis

とてもいいCD。ど真ん中のストレートアヘッドなジャズです。3管ハードバップ
最近のジャズ関係の新譜は、難しいオリジナルばかりだったりで、
めちゃくちゃ上手いけど、1ヶ月後はもう聴いてないというCDが多いんですけど。
このCDは長い付き合いになるでしょう。
ジャズ研の1年生に「ジャズトロンボーンのCDってどんなの聴いたらいいんですか?」
って聴かれたら、これ渡すことにします。
数少ない、トロンボーンプレイヤー以外でも聴けるトロンボーンのCDです。笑


スタンダードを多く取り上げていて、その味付けがストレートなのに絶妙です。
今、There Will Never Be Another You が入ってることなんて、ほとんどないですもんね。
こういうのを待ってるんですよ。
どうしてもCDは自分の音楽を押し出さなきゃいけないから、オリジナルばかりになると思うんですけど、逆に名人のスタンダードが聴きたい。それも5拍子とか7拍子とかにしないでいいので。。。
もちろん、全曲スタンダードというのは、それはちょっと違うかなという気もしますが。

このアナザーユー、ストレートなバラード(スロースウィングかも)でやってますが、あまりにも上手すぎる。音の処理がものすごく綺麗。休符の使い具合が絶妙。あまりにもスイングしまくっている。
Steve Davisって、Michael DavisとかWycliffe Gordonとかみたいに、ソロで超絶ハイトーンや早吹きはやらなくて、アマチュアでも頑張ればコピーできそうって期待を持たせてくれる感じです。
(それはあの完璧なベーシックの上に成り立つフレーズばかりなんですが。。。)
前からアドリブがトロンボーンらしくないなと思っていたのですが、
以前来日でクリニックを見た時、「ピアノを基準にして考えている。ピアノのように吹きたい」と言っていたので、さもありなん。

今作はJ.J.Johnsonの曲をたくさん取り上げている(というかJJトリビュートCD)ので、ことさら感じるのかもしれませんが、Steve DavisはJ.J.Johnsonの一番の後継者かもしれません。
JJフレーズやニュアンスがそこかしこに出てきます。
でもコピーではなく全部Steve Davis節。


Steve Davis (tb)
Eddie Henderson (tp)
Eric Alexander (ts)
Harold Mabern (p)
Nat Reeves (b)
Joe Farnsworth (ds)

1.Pinnacles
2.What Is This Thing Called Love
3.Shortcake
4.Mr. Johnson
5.Lament
6.Say When
7.Kenya
8.Shutterbug
9.Village Blues
10.There Will Never Be Another You
11.When the Saints Go Marching In

Yamaha Nils Landgren model

マウスピースの話です。
その名の通りニルス・ラングレンモデル。

サイズは bach 6 3/4程度で、少し7Cより大きめ。
人によってはちょっとキツイと思うかもしれませんが、
これはこれでとても良いものです。
大きいのに音の歯切れが良い。反応もいいです。
正にニルス氏の方向性の音です。
普段太管を吹くことが多い人に向いてるかもしれません。

アーティストモデルですが、割とニュートラルな個性なので、
楽器をあまり選ばない気がします。
持っておいて損はない。
ffで吹いた時もバリっといけますが、
若干乾いてる音と感じる事があるかもしれません。

My 楽器 Pages 14 :Getzen - 4047DS

2013〜
Getzen - 4047DS

結局、Yamaha YSL-882GOSTを売ってしまってから、
太管がなかったのですが、やはりなんだかんだあったほうがいいなあと思っていた所、
ゲッツェンがやたら値上がりするということで、買ってしまいました。
もちろん吹いたら良かったので。。。
特価にするという楽器店のセールストークに押し切られた感もあり。
しかし数年後の今振り返ると、この判断は正解だったと思います。(^_^;)

Getzenが、ヴィンテージBachを参考にして作り上げたモデルのようです。
アキシャルフローの3047AFとはずいぶん違うコンセプトのように思います。
ロータリーはトラディショナルタイプ。(しかし細かい違いがあります)
マウスパイプも固定式。
ただしベルは2枚取りで、淵にはハンダ無し。

自分はヴィンテージBachをあまり吹いたことがないので、
比較はできませんが、非常にバランスがいいように思います。
反応はとても俊敏だし、吹き込んでも破綻しない。
マウスピースはWillie'sのaqueriousです。bach向けに開発されたマウスピースが合います。

形がそっくりアレッシホーンと吹き比べはできました。
正直、音の密度と滑らかさで言えばアレッシホーンのが上ですね。
あちらのほうがきめ細かい絹ごし豆腐のような感じで、
こちらは力強い木綿豆腐のような。
でも音色の変化も付けられるし、劣るわけではないと思います。
4047DSならビッグバンドでも、ひょっとしたらコンボでもギリギリなんとか頑張れます。

アレッシホーンはどんなに頑張っても、ある程度楽器側で音色を固定されてしまう
感があって、クラシック以外のシーンで使うと、若干窮屈かもと思っています。

4047DSは、非常にいい楽器だと思います。
しかしネックは価格。2015年初夏現在、買値で50万超えています。
2013年に買った時は35万くらいだったのに。。。
円安とメーカーの値上げでしょうか。
50万だったら買わなかったなあ。