トロンボーンって何ですか?難しいです!

トロンボーン関係の記録のためブログに残します。

Koln : Marshall Gilkes & The WDR Big Band

Koln : Marshall Gilkes & The WDR Big Band
マーシャル・ギルケスの新譜です。
数ヶ月前から待ちに待っていました。
コンラッド・ハーウィグとワイクリフ・ゴードンの弟子らしいですが、
テクニックと熱さを合わせもった大好きなプレイヤー。


1曲目のMy Shining Hour (feat. Marshall Gilkes)からやられます。
マーシャル・ギルケスの演奏は、高速のテクニックプレイでも、
歌心を全面に出してくるので、とてもお気に入りです。
自身が所属していたWDRビッグバンドとの相性もバッチリな感じです。
それにしても、彼の高速アドリブソロは、一つ一つの音がくっきりしていて、
バルブ楽器を使っているのでは?と思うくらいです。
世界的なプレイヤーの中でも飛び抜けてると思います。

個人的な白眉は、Edenderry (feat. Marshall Gilkes)です。
金管アンサンブルによるイントロ付き。
非常にメロディアスなオリジナル曲です。
アドリブもドラマチックで感動的です。
つい、手を止めておおーっと言ってしまうくらい。

このアルバム、今はまだ電子ファイル(amazon mp3,itunes)でしか売ってないのが残念です。
すぐ聞きたかったのでとりあえずamazon mp3で買ってしまいましたが、
素晴らしいのでCDでも持っていたいかも。

マーシャル・ギルケスはマリア・シュナイダー関係で来日しているはずですが、
自分名義でのライブはまだ日本でやっていないはずです。
ぜひ生で聴いてみたいので、来日ライブを熱望しています。

Cheek To Cheek - Live : lady gaga & tony benett

チーク・トゥ・チーク ライヴ! [DVD]
トニー・ベネット&レディー・ガガ

トロンボーンとはあんまり関係ありませんが、いいものは紹介します。
レディー・ガガトニー・ベネットのデュエットのライブDVDがあるのです。
ようやく届いてみてますが、かなりのおったまげな内容でした。
異常に盛り上がっています。
4,5曲目くらいでもう観客総立ちのスタンディングオベーション。。。
仕込みか?と思いましたが、歌ものすごいので納得。

とにかく、レディー・ガガの歌う姿の映える事!
あの雰囲気はなんなんでしょうね。
派手な曲はもちろんこと、バラードはカーメン・マクレエ彷彿の貫禄だったり。
こんなにジャズも上手いとは。

全体的に似た曲調が続きますが、これはこれでそれぞれ面白いのでいいかなと。
トニー・ベネット爺ちゃんの声の張りもすさまじい。本当に90近い人の声なんでしょうか。

frogs:Little Girl's First Letter

オリジナルを中心にした、インストバンドです。
ロディアスな曲を中心にアドリブを散りばめた、優しい音楽になっています。
オリジナリティ溢れて素晴らしく歌うトロンボーン。役割としてはヴォーカルに近いです。
三人で繰り広げてるとは思えないほど豊かなサウンドですが、
それを大きく支えているのはパーカッション。
こんなに世界観を作れるとは驚きです。
こういうバンドがCDを出してくれると、日本のトロンボーン界が豊かになるから嬉しいですね。
ちなみに似たような編成では、八向山という向井滋春(tb)/山下洋輔(pf)/ヤヒロトモヒロ(per)といった今はなき素晴らしいバンドがあります。
そちらも自由なサウンドで、若干近いかもしれません。いずれレビュー取り上げますが、もうCD手に入らないような気がします。。。


CD全体の収録時間は40分程度で短めですが、そのおかげでいつの間にかずっと繰り返し聞いてしまうという。
のんびりしたいときでもかけられて、何度でも聴けるいいCDです。

河野広明 (trombone)
荻野やすよし (guitar)
安井希久子 (percussion)

Monette TS-6,TS-11 Prana Slap

根強いマニアックな人気を誇るモネットです。
bachでいえば、TS-6がロクハン、11が11Cサイズです。
Pranaモデルにも無印とSlapモデルというのがあります。
僕は持っているのは6,11共にSlapです。
6は二回買いました。
最初の一本は扱いきれないなと思って、プロの先輩に売ってしまったのですが、
その後惜しくなってまた買い直し(^_^;)
でもやっぱり扱いきれない(^_^;)

音色がものすごく個性的です。
とにかく濃くてダーク。
このマウスピースだけは、はっきり他のメーカーと違いがわかります。
そして楽器を選ぶ。
個人的な印象ですが、これに合う数少ないモデルの一つは、中川英二郎本人がモネットを使っているYamaha YSL-895ENだと思います。
逆に895EN自体、monette以外を受け付けないような。。。

おそらくアマチュアだと、TS-6は毎日吹けるような人ではないと難しいと思います。
最初吹いた感じはいいのですが、音はかなり広がるし、パッとした音が出しづらく、
非常に疲れます。
TS-11でギリギリ。
モネット自体、使ってる人の音はぼやけて聞こえる事が多いです。
アマチュアはもちろんのこと、一部のプロの方でも、なんか聞こえづらいなーと思うことがあります。。。(^_^;)

これはモネットに限りませんが、ダークな音色って、管楽器だけのアカペラとかならすごく響きがいいんですけど、
リズム隊、特にドラムのスネアやシンバルの高音成分が入ると、かき消されてしまうと思います。

しかし何にせよすごい魅力を持ったオンリーワンのマウスピースです。
日本のお店で買うと5万以上しますが、私は直接monetteにメールして買ったり、
アメリカの楽器店のHPから買ったり。
円高マックスの時だと半額ちょっとでした。これがオススメ。

守屋純子オーケストラ : Into The Bright Decade

守屋純子オーケストラ : Into The Bright Decade

やたらメンバーが豪華なビッグバンドです。
守屋純子の曲やアレンジはメロディアスで素晴らしい。
ストーリーを作るのがうまく、ソロが浮かない。
テーマが終わったからアドリブ入れるよ、みたいな感じではなく、
曲の流れが、ソロのあるべき場所にソロが入ってくるような。

このアルバム、どれもいい曲ばかりなのですが、特に挙げるとすれば、
3曲目Danielです。
片岡雄三トロンボーンフィーチャーのミディアムテンポのバラード。 
亡くなられたダニエルさんという方に捧げた曲のようです。
片岡節全開の果てしない美メロ。

ハーモニーよし、リズムよし、メロディーよし、という非の打ち所ないビッグバンド。
私の大好きなトランペットの岡崎好朗、サックスの近藤和彦も一緒に入っていて、
大変俺得な1枚となっております。

ふと思いましたが
守屋純子オーケストラ
・EM Bigband
小曽根真No Name Horses
Bluenote tokyo All Star Bigband
って、メンバーがほとんど同じなような気がしております。
プロのビッグバンドってメンバーをみていると、いくつかの派閥があるようで、
上記は大体一つのグループみたいな感じがありますね。


守屋純子: Piano,Compose,Arrange
エリック・ミヤシロ、木幡光邦、奥村晶、岡崎好朗: Tp
近藤和彦、緑川永徳、小池修、アンディー・ウルフ、宮本大路: Sax
片岡雄三、佐藤春樹、東條あづさ、山城純子: Tb
納浩一: B
大坂昌彦: D
岡部洋一: Perc

My 楽器 Pages 13 :Yamaha - YSL-895EN

2013〜
Yamaha - YSL-895EN 仕様変更後(ライトウェイト化)

ヤマハのいわゆる中川英二郎モデルです。
実はこのモデルは、マイナーチェンジ前のものから持っていました。
しかも1回買ってから知り合いに売ってしまい、
また吹きたくなって買ってしまい、
ライトウェイト化後にまた買い直して、都合3回所持しているという。。。(^_^;)

ヤマハのテナーだからノーマルなのでしょとおもいきや、
個人的にはかなり個性的なモデルだと感じています。
しかもマウスピースをかなり選ぶ。色々と試した結果、結局monette TS-11Slapと組み合わせています。
中川英二郎自身がmonetteでしか試奏してないはずですし。。。
中高生がこれ買って吹くこともあろうに、これがテナートロンボーンなんだ!と思われると、ちょっと。。。

まず音色が相当ダークです。音域の上から下まで、ppからffまで良くも悪くも一定に出る感じです。
太くダークで、イメージは太管に近いです。
2013年に仕様変更してスライドがライトウェイト化(スリーブ無し、マウスパイプ軽量化等)した後、
印象はかなり軽くなりました。それでも他のテナーに比べたらかなりダーク。
現仕様の方が好みです。でも普段太管を吹いてる人が吹くなら、前の方がいいかも。

あと個体差が大きいのも特徴。そもそも今の個体も楽器屋で好奇心で中川英二郎選定品を吹いてみたら、
ものすごく良くて買ってしまったのです。
その際、懇意にしている楽器屋さんで個体をもう一本用意してもらったのですが、
かなり違いました。プロの先輩と一緒に吹いて聴いてもらいましたが、一目瞭然。
音のまとまりが違う。

まあ、ダークダークといいましたが、自由度は素晴らしいです。
どんなジャンルでも大丈夫なので、悩んだときにはこれを持って行くことにしています。

THE BON BONES : MELBA'S MOOD

THE BON BONES : MELBA'S MOOD

今をときめく才気あふれる若手トロンボニストの1stCDです。

上杉優と駒野逸美のフレーズが対照的で面白い。
上杉優は口ずさめるような歌うフレーズでリズム隊を上手く使ったアドリブ、
駒野逸美はいやゆるコンテンポラリーなモダンな音使いのソロを取ります。
コンラッド・ハーウィグやスティーブ・デイビス、ロビン・ユーバンクスあたりが好きそうな感じがします。
しかしフレーズは違っても、両者bachということもあるのか、アンサンブルでの音色の混ざり具合は素晴らしい。


非常によくJ&Kを勉強している感じです。
それが悪い意味のJ&Kコピーではなく、将来を感じさせるようなサウンドで、これからが楽しみです。
でもよく考えてみると、こういうトロンボーンアンサンブルの王道サウンド、特に近年の日本では他にはあまりなかったような気がします。
例えば向井滋春村田陽一、片岡雄三、中川英二郎等、有名な日本のトップトロンボーン奏者は、こういうJ.J.Johnson系とは全然違いますし。
こういう若手が出てきたのは大変よいことだと思います。
長く続いてほしいバンド。

またピアノの魚返明未が凄いです。
どうやらまだ大学生のようですが、ハーモニー、リズム、フレーズどれを取っても学生とは思えない。どころか、舌を巻き巻きするくらいです。
最近は凄い若手ばっかりですね。

上杉優(tb)
駒野逸美(tb)
魚返明未(p)
小林航太朗(b)
大井澄東(ds)

Army Blues & Marshall Gilkes "Downtime" 2014 ETW

前回記事にした素晴らしい動画が速攻で消えてしまったようですので、
Marshall Gilkesの動画をまた投稿します。
おそらく米陸軍バンドを率いて吹いてる動画ですが、
これまた素晴らしい。
この"Downtime"というのは彼の3枚目のアルバムでもコンボで取り上げてますが、
朴訥なメロディからぐわっと盛り上がるとてもいい曲です。
このビッグバンド版も早くCDに収録して欲しい。


Army Blues & Marshall Gilkes "Downtime" 2014 ETW

Jazz masterclass with Marshall Gilkes - Eastern Trombone Workshop 2014

Marshall Gilkesのマスタークラス動画です。
ほぼ全部1人で解説しながら吹いていますが、全てがすごすぎる。。。
何より音色!クラシックのトロンボーン的な豊かな音色。
この人、多分bachの42Bを持ってオケに乗れば、そこらのオケ奏者に負けない演奏ができるでしょうね。

フレーズも歌いまくってて、音楽の塊みたいな人ですね。
最初の模範演奏のAll the things you are、ドラムとかベースが聞こえてくるような気が。

真ん中辺りのペダルの模範演奏、ありえなさすぎて思わず笑っちゃいました。
これが飛び道具じゃなくて、ちゃんと音楽の道具になってるのがすごい。

[4/4追記]
もう消えてしまっていますね。。。これは素晴らしい動画でした。売れると思います。

My 楽器 Pages 12 :Shires - Micael Davis Model

2012〜
Shires - Micael Davis Model

細管テナー。マイケルデイビスモデル。
ヴィンテージキングに現代風味付けして作ってみましたみたいな楽器です。
各所のパーツがShiresオリジナルのモノと違っています。
スライド先端のガードもキングと同じくらいのサイズに小さくなるなど、基本的に軽量な方向へ。

反応がめちゃくちゃいいです。
そしてボアは'495の細めなのに、大音量でも破綻しない余裕がある。
音色はあたたかみがあり、変化もつけやすい。
どういうシチュエーションか迷った時にはこの楽器を持っていってます。

この前にShires 7Yベルのテナーを持っていましたが、
これはこれで素晴らしい楽器でしたが、
新品近い中古でこれを発見して、悩んだ結果、買い替えてしまいました。
基本的には似ているんですが、7Yの方が若干クラシック的な鳴りでした。
大きく吹いても、小さい感じがそのまま大きくなるというか。。。
こちらの方がソフトに吹けばソフトに、ハードに吹けばハードに鳴るように感じます。
好みの問題ですね。

買った個体はバランサーがついていましたが、
現在はマイケルデイビス本人がバランサーなしで吹いているのに合わせ、
なしとなってしまったようです。
買えば2万くらいするので、昔の方がお得でしたね。笑

個人的にバランサーはありの方が好みです。