トロンボーンって何ですか?難しいです!

トロンボーン関係の記録のためブログに残します。

My 楽器 Pages 16 :Yamaha - YSL-897Z [12.70mmボア]

2015〜
Yamaha - YSL-897Z 特注品 [12.70mmボアスライド/ゴールドブラス製チューニングスライド]

オリジナルの897Zはデュアルボア(0.484/0.490)ですが、スライドに.500のシングルボアを採用した特注品です。
さらにチューニングスライドはゴールドブラスへ。
山野楽器ウィンドクルーの特注品とはなっていますが、元々は三塚知貴氏が市販を奨めたとのことです。
隠れ三塚モデルですね。

個人的な感想では、普通の897Zはかなり細い感が強くて、結構ミニマムだったのですが、
.500になることでちょうどいいサイズになりました。
あと特記として、.500ボアスライドは、897Zのスライドをボアアップしたのではなく、
891Zのスライドをダウンサイズしたものなんです。
例えば、897Zのスライドは、ストッパーがムキムキのごついリングなのですが、こちらは普通です。
右手の持ち手部分も、削りだしではなくてパイプのようです。
どうも個人的にはあの897Zのスライドは、吹奏感がガッチリロックされてる感じがありまして。。。(^_^;)
こちらの方が汎用性がある感じですし、好きです。

リー・コニッツ ジャズ・インプロヴァイザーの軌跡


出たばかりのリーコニッツのインタビュー本です。
率直な生の声が面白かった~。
結構辛口です。キース・ジャレットよりブラッド・メルドーの方が創造的だ、とか。(^_^;)
あと、他の人から見たリー・コニッツの印象みたいな、
他の人のインタビューを載せて、「リーはこう言ってますが」みたいに質問しているのも面白いです。

一番印象に残ったところは、
"チャーリー・パーカーはすごかったが、そのフォロワーたちはみな、パーカーが作り上げたものをコピーして盗み出していったようなものなんだ。パーカーは複雑な思いだったと思うよ"
という視点で、思いも寄らなかったです。
トリスターノ派というのがあったのを初めて知りました。
トリスターノの教え子たちは誰もトリスターノのように演奏しなかったが、パーカーは誰も教える気がなかったのにみんながパーカーのように演奏したなんて、なんて面白い!

リーコニッツもほとんど聴いてなかったので改めて聞いてみたら、たしかにパーカーとはフレーズの毛色が違う感じ。( ´_ゝ`)フーン
僕は好きですね。かなり内省的な感じはしますが。

Duologue - 出口誠

ピアニスト出口誠氏が、色んなプレイヤーとデュオをやっているCDで、
トロンボーンとしては、その中で片岡雄三氏と池田雅明氏とそれぞれ3曲ずつ演奏しております。
ケツから言って、とてもいいCDです。
片岡氏はよくピアノとのデュオライブをやっていて、色んな人との演奏を何度も聞いたことがあるのですが、
インタープレイが抜群で、毎回ビックリします。
それが音源になったのは快挙ですね。

1曲目の片岡雄三氏のThe Night Has a Thousand Eyesは名演だと思います。
あんなにメロディックなアドリブができるものなのかと。
どこかで聞いたフレーズではなくて、自分の歌を歌いきっています。

最後の池田雅明氏のA Lovely Way To Spend an Eveningも素晴らしい。
実は池田氏は今までコンボの演奏をほとんど聞いたことがなかったのですが、
こちらもメロディックで、温かい音色で素晴らしいです。
池田氏は選曲もツボで、どれも素朴で印象的なメロディの曲を選んでます。

他のフルートの井上信平、テナーサックスの右近茂氏もよいです。
出口氏のピアノも、安心感のある王道ピアノです。包容感と頼もしさ。フロントも安心して吹ける感じ。
買ってから何度もよく聴いています。長らく楽しめるオススメCDです。

King 3B 片岡雄三モデル

新大久保ウィンドクルー。King祭り。

左からマイナーチェンジ前の3Bスターリングシルバーベル
3B片岡雄三モデル イエローベル、スターリングシルバーベル。
全部片岡さん選定品!

9月に発売になったばかりの片岡さんモデル。いわゆる3Bのライトウェイトスライド版ですが、思ったより軽くない。艶やかになります。
右手の持ち手も細くなって握りやすい。
個体がいいのかわかりませんが、銀ベルも真鍮ベルも、とてもよく鳴るヤバい楽器です。(^ν^)
特に片岡モデル銀ベルは、ご本人が使う楽器を選ぶときに最後まで迷った個体とか。
(まあ、結局選ばれなかったんですけど。笑)
大変素晴らしい楽器です。(^ω^)

ノーマル3Bと片岡モデルを吹き比べてみて改めてわかったんですが、
3Bって、細管の中でも、かなりキャパシティが大きくてでかい楽器なんですね。
たしか、昔の3Bの名称は「Concert」でしたが、その名の通り、ホールで鳴らす用みたいな感じです。
この楽器でコンボだと、ちょっと持て余す感があるかなーって気がしました。

最初、片岡モデルなら銀ベル、イエローベルなら普通の3Bがバランスいいのかな?と思って吹いてたんですが、
次第に黄ベルも慣れてきて十分いい感じに。
銀ベルも、ご自身の楽器に悩んだくらいのもので、ものすごく良かったのですが、
最後は店員さん(片岡さんのお弟子さんとか)に、黄ベルと銀ベルを吹き比べてみてもらって、
目をつぶって聴いた所、違いがあまりわからなかったので、黄ベルにしました。
fffくらい出せば、真鍮のベルは少し負けてしまう感じがあるんですけど、
普通そんなところ出しませんから。。。
それより、銀だとモニター性が犠牲になる分と、15万アップ(!)を天秤にかけて、
普通のイエローベルで十分!という結論になりました。
あ、これを逃したらずっと後悔するということで、買いました。\(^o^)/

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栗林すみれトリオ@大阪ケリーズ 2015/9/19

2015/9/19

栗林すみれトリオ@大阪ケリーズ
個人的には、スミカナシュンと呼びたい。(^_^;)
一番の感想は、「あ、このサウンドが出せるのは、多分世界でこの3人が揃った時だけだな」ということでした。
すごいバンドでした。とても良かった。
アノトリオは初めてでしたが、改めてピアノのすみれさんは天才。
曲の前奏が圧倒的にすごい。ハーモニーがほんとグッときます(^ω^)
自分の言葉で自分の世界を作り上げるところは、小島良喜さんとタイプが似てると感じます。
ロディアスで、ダイナミクスをpからffまで幅広いところや、鍵盤の端から端まで縦横無尽に使うところも。
小柄で細身のかわいらしい姿で、いかにも得意そうな静かなバラードから、豹変してトランス状態で全力でピアノに殴りかかるような激しいアタックまで…((((;´・ω・`)))
いつもすごく楽しそうに弾くのがいいんです。
のだめカンタービレののだめが現実世界にいたらこんな感じだったのかなと。

石若君は、もうあえて言わないでも…
ドラムという枠を飛び越えてパーカッションみたいに感じます。とんでもない。

金澤さんのベースを聴くと、やっぱり今まで聴いたベースの中で一番好きだなと思います。
このぶ厚さは別格です。
他の人がどんなに細かいフレーズをかっこよく弾いたって、金澤さんのブーン…という一つの音の説得力にはかなわない。
曰わく
「こういうものを作ろうと決めてやったのではなくて、この3人でできるものを押し進めたら、こうなった。年齢は関係ない」
とのことです。
確かに自然で、作り物感はなかったです。
若きアラツーとベテランアラ還のトリオでしたが、ステージでは対等でした。
というか、アラツーの2人は、若いのにという形容詞が不要で、ただ単にものすごいだけです。
ぜひこれからもライブを続けてほしいバンドです。(^ω^)

スミカナシュンでのMy back pagesとかCantalope islandとか聴いてみたいなあ。
コジカナシュンやboysとは、また全然違う風になるんでしょう。
なんか、コジカナヤマもそうですけど、こういう風に笑顔でげんこつで殴り合って、世界でそこにしかないというライブをやってるのを聴いてしまうと、自分もアマチュアとはいえミュージシャンの端くれなので、憧れますよね…(´`)

ちなみに写真の下の、クリスチャン・マクブライドのドヤ顔が気になります。

Decisions – Michael Dease

現代のトロンボーンは、全員超絶テクニシャン。
その中でも多分飛び出ているMicael Deaseの新譜です。

apple musicってすごく便利です。
今、仕事の関係で車に乗ることが多いのですが、
その時さっと聴きたいときに、わざわざ購入してダウンロードしてiPhoneに入れて、という手順を
踏まずに、新しいものがさっとチェックできるという。
ミュージシャン側からたまったもんじゃないかもしれませんが、聴く側としては非常に便利ですね。

で、朝6時くらいに80kmほど延々と山道をドライブしている時に、
micael deaseの新譜が聴ける!とウキウキして流したのですが。。。
なんだか1曲で、疲れて止めてしまいました。
なぜ?自分でも不思議です。michael dease好きなのに。
音色◎、音程◎、リズム◎、フレーズ◎、マイケル・ラスプレイヤー◎
欠点がないのに。

で、その後も頑張って何回か聴いてるんですが、やっぱり疲れてやめてしまう。
コンテンポラリーなフレーズの連続が疲れる原因なのかとも思っているですが、
前回レビューしたsteve davesのsay whenは愛聴盤になっていて、今もよく聴くんですが、
steve davisも結構コンテンポラリーなフレーズです。
ただこちらは、間を使うのが凄く上手いんです。
michael deaseは音符の数がすごく多いので、それが疲れる原因なのかもしれません。
いくら美味しい料理でも、ずっと出てくると満腹で苦しくなっちゃいます。(TдT)

My 楽器 Pages 15 :Michael Rath - R10 Nickel Bell,Satin

2014〜
Michael Rath - R10 Nickel Bell,Satin

みんな大好きマイケル・ラス。
数年前、このモデルを吹いたことがあったのです。
それはそれは素晴らしい鳴りだったのですが、
そのときは財布が許さず、買わずに帰りました。
そして数日後、あるお店にセッションに行った所、
トロンボーンのプロの方が遊びで来られておりました。
その方の持っていたのが、まさにこれ。
「数日前、蒲田で同じモデル吹いたんですよ。」
「あ、昨日買ったものだから、それだよ。。。」
と、驚きの再会でした。
その方も一吹きで気に入ったとのことでした。

そしてそれから1年以上経ったある日、
ふと同じ蒲田のお店に行ったところ、
見覚えのある、銀色でサテンのかっこいいテナーが置いてありました。

新品かと思ったのですが、どうやら中古とのこと。
前オーナーは太管メインの方で、ほとんど吹かずに売ってしまったとか。
試しに吹かせてもらったのですが、
同じくたいそうよく鳴る楽器で、一発で気に入りました。

しかしお値段。なんと中古でも40万!
テナーに40万か。。。と大変悩んだのですが、
1時間近く悩みながら吹いて決めました。
あまり入ってくるものじゃないし、ここで見逃したらもう出会わないかも。
結果、この判断は良かったのじゃないかと思っています。
ちなみに2015年8月現在、買値で60万弱に値上がりしています。。。
これはちょっと円安の効果もあり、高すぎる感かと。。

このニッケルベルは大きな特徴になっています。
スターリングシルバーベルとイエローブラスの中間くらいに感じます。
非常によく飛んで行くが、銀ベルほどきつくはない。
サテンの効果は、そうでないのと吹き比べてみないとわからない気がしますが、
視覚効果は抜群。

スライドもライトウェイトニッケル、チューニング管支柱もないような、軽量なセッティングでありながら、吹き込んでも限界が非常に高いし、細かい動きもバッチリと、バランスに優れた楽器です。
設計がいいんだろうなと感心します。

しかし実はこの楽器鳴るには鳴るが、かなり硬い感じがありました。久しぶりにビッグバンドの練習に行くようになり、この楽器を持って行ってますが、ようやく柔らかくなってきて、更に抜けてきた感じがあります。
正直言って鳴り過ぎるくらい。
気をつけないと、サックスのアンサンブルとか簡単に押しのけてしまう気がします。

Marshall Gilkes - "Edenderry" featuring the WDR Big Band

www.youtube.com


Marshall Gilkes - "Edenderry" featuring the WDR Big Band
みんな大好きMarshall gilkes。
youtubeに公式で上がっていました。
こちらの方が見やすくていいですね。軽いし。

WDRビッグバンドを従えて、自身のオリジナルの曲アレンジですが、
泣ける美メロが素晴らしい。。。
指揮振りから始まるイントロ金管アンサンブルから、自分のソロに入った後の
世界の作り方がすごい。
アドリブももの凄い切れ味のタンギングで、メロディアスなフレーズを繰り出します。

このWDRビッグバンドをバックにした演奏は、
itunesamazon MP3で音源が出てるのでオススメです。
Koln : Marshall Gilkes & The WDR Big Band - トロンボーンって何ですか?よくわかりません!

Bach 16GL 特注品,King 3B

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左がBach 16 ネックパイプニッケル仕様
右がKing 3B マイナーチェンジ後のバランサー3ピースタイプ。
どっちもとてもいい楽器でした。
それぞれ村田陽一氏、片岡雄三氏選定品。
たくさんいろんな楽器吹いてきましたけど、結局、細管ならこの二つの機種のどちらか、ff吹いた時の鳴り方の好みで選べば問題ないような。あとはヤマハ
個人的には、この3Bすごくいい…(´`)
kingってこんなに良かったっけ?と思うくらいです。

Michael Rath R3

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みんな大好きマイケル・ラス。
ある知り合いの方のRath R3 ニッケルベル サテンフィニッシュ (F管なしバージョン)
中細管と思えないレスポンスで、誠に素晴らしい楽器でした。( ´ ▽ ` )
R3だとベルの作りがF管対応になっているので、ベル側の柱の位置が変わっています。
テナー管だとキュッと曲がっていてセクシー。


R3はAndy HunterやDennis Rollinsが使用しているモデルですね。
ラスはかなり音がフォーカスされて絞り込まれるところがあるので、
.525でも、他メーカーの.508くらいのボアのレスポンスがあるように感じます。
音色はぶっといです。
通常店頭在庫はないと思うので、試奏できず注文しなくてはいけないのが玉に瑕です。
この方は注文されたようです。

よくネタにしていますが、最近の海外楽器の値上がりは凄い。
2,3年前より10万くらい値上がりしています。
これもテナー管でさえ、おそらく50万弱。。。
F管付きだと70万弱くらいいくのではないでしょうか。
なかなか買えるものではありません。