トロンボーンって何ですか?難しいです!

トロンボーン関係の記録のためブログに残します。

滑川トロンボーントリオ コンサート

2016年2月28日
滑川トロンボーントリオ
演奏会 Vol.4
@富山県富山市 富山県共生センター サンフォルテ

富山県出身トロンボーンプレイヤーで構成されている、
滑川トロンボーントリオの演奏会を聴いてきました。
この演奏会、全部自分たちで準備した自主公演らしいです。凄い。

富山で活躍しているトロンボーン廣瀬大悟氏をようやく見ることができました。
真顔で冗談なのかわからない冗談を言う、三谷幸喜タイプの人で、とても愉快でした。
演奏会の内容も、全体的にジョークがちりばめられてものすごくユニーク。クラシックの演奏会でここまでやっていいんだなと思うくらいでした。オリジナリティあふれていてブラヴォー!( ^ω^ )
演奏の中で特に印象が残ったのは、Tb+Pfのデュオでの古都三景。抜粋で"鎌倉"のみでしたが、組曲全部聴きたいくらいでした。

ていうか、ほんと三谷幸喜に色んな意味で似てるような…
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自分の音で奏でよう! ~ベルリン・フィルのホルン奏者が語る異端のアンチ・メソッド演奏論~

自分の音で奏でよう! ~ベルリン・フィルのホルン奏者が語る異端のアンチ・メソッド演奏論~2016/1/22
著 ファーガス・マクウィリアム

ベルリンフィルのホルンのファーガス氏の新刊、読んでみました。
大体は心構えが書いてあって、管楽器をやる人全員のためになる感じです。
ホルンの上吹き、下吹きって単語は知ってましたが、こんな厳格に分けられてるなんて知りませんでした。楽器は同じなのに。
※ファーガスはそれに否定的
テナートロンボーンバストロンボーンの違いに近いかな…これは別物の楽器と思ってますが( ;´Д`)

楽器の腐食

中古で買った20年くらい前のBach 36のスライドです。
スライド持ちてが結構やられてます。

管楽器の、ラッカーが剥がれた後の小さいボコボコはどんな侵食されてるのかなと思って調べてみたら、
【脱亜鉛腐食】
という状態らしいです。
ははあ、真鍮は銅と亜鉛の合金ですが、亜鉛だけが溶けていき、後は銅が残るということでしょうか。
古い楽器は穴が空いちゃうことがあるのは、このせいですね。

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亜鉛腐食
dezincification corrosion
銅-亜鉛系合金において、合金中の亜鉛だけが腐食溶出し、後に多孔質の銅と腐食生成物が残る現象、又は合金の両成分が溶解し、銅だけが再析出する現象。
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ここ、何かの雑誌の記事抜きのようですが、黄銅の腐食について書いてあります。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcorr1954/8/6/8_6_264/_pdf
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(4) 脱亜鉛腐食
この現 象は腐食に よって溶 出した黄銅成分 の うち,
Cuの みが一度腐食 した ところに再 沈着 して,
粗 雑 な沈 着層 を生 ず るために起 るもの と考えられ てい る。
亜鉛 腐食 を生ず る傾 向はZn含 有 量の多い黄銅 ほ ど激 しく,
Zn15%以 下 の黄 銅では,実 用的には,ほ とん ど脱亜鉛腐 食を生ず る ことはない。
脱亜 鉛腐食は淡水 中にお いて も生ず るが,中 濃度以下
の塩水中において生 じ易 く,ま た高温 の液に よって よ り
生 じ易 くな る。
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>>脱亜鉛 腐食 を生ず る傾 向はZn含 有 量の多い黄銅 ほ ど激 しく,
>>Zn15%以 下 の黄 銅では,実 用的には,ほ とん ど脱亜鉛腐 食を生ず る ことはない。
ここから、手持ち部分をレッドブラス(Zn10%程度と聞きます)にすれば腐食対策になる?
と思いましたが、銅が多くなると柔らかくなりそうですし、音も結構変わりそうですね。

>>中濃度以下の塩水中において生じ易く,
まあ間違いなく汗っかきの人だと侵食が早いんでしょう。
あとは楽器を使った後、ちゃんと拭くかどうかかな。

この脱亜鉛腐食という言葉を知ってる人はあまりいないと思うので、
おっさんは吹奏楽団の若い女の子相手にドヤ顔でこの単語を説明してあげるのはいかがでしょうか。
安心してください、引かれますよ。

Eli Degibri - Cliff Hangin'

なんでイスラエルの人はこんなに上手いのでしょう?
何か教育システムでもあるのでしょうか。

ようやく年末年始で、実家に録画してあった東京ジャズ2015を見ました。
個人的ベストはEli Degibri。なんてメロディックなテナー!
CDガサーっと大人買いしました。\(^o^)/
すぐ届いた2015年の新譜が傑作。ピアノとドラムが20歳前後。若々しい。東京ジャズに出てたメンバーのような感じです。
ピアノのGadi Lehavi。なんでこんな演奏できるんだ。。。

先日、Shai Maestro聴いて大層満足でしたが、
Eli Degibriといい、最近イスラエル・ジャズが隆盛です。
なんでイスラエルの人はこんなに上手いのでしょうか。音色は端正だし、特にリズムが強烈。全体的にみな雰囲気は似てると感じてます。
理由は、ちょっと調べてもよくわかりませんでした。
Avishai Cohenを筆頭に、たまたま僕が見かけた人だけが上手いって可能性もありますが、なんとなくそれだけとは思えない。



Eli Degibri - Cliff Hangin' preview - SONG X 032

Tenor Trombone IPAC Case :Protec

2016あけましておめでとうございます。
トロンボーンネタがあまりないので更新しそびれていましたが、
ケースについて記事を残してないと気づきました。
今までいろんなケースを買ってきたので、実体験に基づいた記事が残せるかと思います。
トロンボーンケースについてまとめたブログはあまりないはずです。

さて先日protecの新型ケースを買いました。
2015年秋くらいに出たものらしいです。
Tenor Trombone IPAC Case
IP306CT
Tenor Trombone IPAC Case - Contoured
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結論から言って、ジョリーグッドです。
ベストに近い。
これまで一番良かったのは、マーカスボナのライトケースだったのですが、
これがとにかく高い。7万くらいします。ブラジル製なのになぜ。。。
しかし品質はピカイチです\(^o^)/
こちらのレビューは後日します。

もう一本これを買うかと思って新宿のウィンドクルーに行ったのですが、
この新型protecが出ていて、見てみたらナイス。形も楽器の入れ方もボナにそっくり。
というかパクリ・・・?(; ・`д・´)
まあ、エドワーズのケースもほとんど同じ作りなので、そっちかもしれませんが。
話によると、エドワーズの方がボナより後発なので、エドワーズもパクったのかもしれません。
とにかくポイントはおさえていて、価格はボナの半額!\(^o^)/
これに決めました。

私の楽器ケースの求めるポイントは
・全長1m
・背負える
・ハードorセミハード
・クッション性
です。
実は全長をかなり重要視しています。
なぜなら、1mなら、駅の一番大きいコインロッカーと、
航空会社の楽器ケースコンテナに入るからです。
この視点は、意外と楽器屋の店員さんにもありません。

IP306CTはジョリーグッドです。
いま手に入るケースで一番のオススメかも。
後発のせいか、ボナよりいい箇所もあります。
ボナは、なぜかスライドとベルの間の仕切りが一部分なくて、
しまう時や輸送中にベル縁にスライドをぶつけないか、ちょっと不安なんですよ。
このケースは全部区切られてるので安心。

欠点は、色が無骨な黒しかないので、ボナのカラフルなカラーにはかなわないところか。
学生や女の子にはちょっとそこがイマイチかも。
でも肝心な機能的なところはバッチリです。

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今はテナーを入れてるので、念のためプチプチを巻いてます。
テナーバスなら不要でしょう。

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ボナはここに仕切りがないのです。

My 楽器 Pages 16 :Yamaha - YSL-897Z [12.70mmボア]

2015〜
Yamaha - YSL-897Z 特注品 [12.70mmボアスライド/ゴールドブラス製チューニングスライド]

オリジナルの897Zはデュアルボア(0.484/0.490)ですが、スライドに.500のシングルボアを採用した特注品です。
さらにチューニングスライドはゴールドブラスへ。
山野楽器ウィンドクルーの特注品とはなっていますが、元々は三塚知貴氏が市販を奨めたとのことです。
隠れ三塚モデルですね。

個人的な感想では、普通の897Zはかなり細い感が強くて、結構ミニマムだったのですが、
.500になることでちょうどいいサイズになりました。
あと特記として、.500ボアスライドは、897Zのスライドをボアアップしたのではなく、
891Zのスライドをダウンサイズしたものなんです。
例えば、897Zのスライドは、ストッパーがムキムキのごついリングなのですが、こちらは普通です。
右手の持ち手部分も、削りだしではなくてパイプのようです。
どうも個人的にはあの897Zのスライドは、吹奏感がガッチリロックされてる感じがありまして。。。(^_^;)
こちらの方が汎用性がある感じですし、好きです。

リー・コニッツ ジャズ・インプロヴァイザーの軌跡


出たばかりのリーコニッツのインタビュー本です。
率直な生の声が面白かった~。
結構辛口です。キース・ジャレットよりブラッド・メルドーの方が創造的だ、とか。(^_^;)
あと、他の人から見たリー・コニッツの印象みたいな、
他の人のインタビューを載せて、「リーはこう言ってますが」みたいに質問しているのも面白いです。

一番印象に残ったところは、
"チャーリー・パーカーはすごかったが、そのフォロワーたちはみな、パーカーが作り上げたものをコピーして盗み出していったようなものなんだ。パーカーは複雑な思いだったと思うよ"
という視点で、思いも寄らなかったです。
トリスターノ派というのがあったのを初めて知りました。
トリスターノの教え子たちは誰もトリスターノのように演奏しなかったが、パーカーは誰も教える気がなかったのにみんながパーカーのように演奏したなんて、なんて面白い!

リーコニッツもほとんど聴いてなかったので改めて聞いてみたら、たしかにパーカーとはフレーズの毛色が違う感じ。( ´_ゝ`)フーン
僕は好きですね。かなり内省的な感じはしますが。

Duologue - 出口誠

ピアニスト出口誠氏が、色んなプレイヤーとデュオをやっているCDで、
トロンボーンとしては、その中で片岡雄三氏と池田雅明氏とそれぞれ3曲ずつ演奏しております。
ケツから言って、とてもいいCDです。
片岡氏はよくピアノとのデュオライブをやっていて、色んな人との演奏を何度も聞いたことがあるのですが、
インタープレイが抜群で、毎回ビックリします。
それが音源になったのは快挙ですね。

1曲目の片岡雄三氏のThe Night Has a Thousand Eyesは名演だと思います。
あんなにメロディックなアドリブができるものなのかと。
どこかで聞いたフレーズではなくて、自分の歌を歌いきっています。

最後の池田雅明氏のA Lovely Way To Spend an Eveningも素晴らしい。
実は池田氏は今までコンボの演奏をほとんど聞いたことがなかったのですが、
こちらもメロディックで、温かい音色で素晴らしいです。
池田氏は選曲もツボで、どれも素朴で印象的なメロディの曲を選んでます。

他のフルートの井上信平、テナーサックスの右近茂氏もよいです。
出口氏のピアノも、安心感のある王道ピアノです。包容感と頼もしさ。フロントも安心して吹ける感じ。
買ってから何度もよく聴いています。長らく楽しめるオススメCDです。

King 3B 片岡雄三モデル

新大久保ウィンドクルー。King祭り。

左からマイナーチェンジ前の3Bスターリングシルバーベル
3B片岡雄三モデル イエローベル、スターリングシルバーベル。
全部片岡さん選定品!

9月に発売になったばかりの片岡さんモデル。いわゆる3Bのライトウェイトスライド版ですが、思ったより軽くない。艶やかになります。
右手の持ち手も細くなって握りやすい。
個体がいいのかわかりませんが、銀ベルも真鍮ベルも、とてもよく鳴るヤバい楽器です。(^ν^)
特に片岡モデル銀ベルは、ご本人が使う楽器を選ぶときに最後まで迷った個体とか。
(まあ、結局選ばれなかったんですけど。笑)
大変素晴らしい楽器です。(^ω^)

ノーマル3Bと片岡モデルを吹き比べてみて改めてわかったんですが、
3Bって、細管の中でも、かなりキャパシティが大きくてでかい楽器なんですね。
たしか、昔の3Bの名称は「Concert」でしたが、その名の通り、ホールで鳴らす用みたいな感じです。
この楽器でコンボだと、ちょっと持て余す感があるかなーって気がしました。

最初、片岡モデルなら銀ベル、イエローベルなら普通の3Bがバランスいいのかな?と思って吹いてたんですが、
次第に黄ベルも慣れてきて十分いい感じに。
銀ベルも、ご自身の楽器に悩んだくらいのもので、ものすごく良かったのですが、
最後は店員さん(片岡さんのお弟子さんとか)に、黄ベルと銀ベルを吹き比べてみてもらって、
目をつぶって聴いた所、違いがあまりわからなかったので、黄ベルにしました。
fffくらい出せば、真鍮のベルは少し負けてしまう感じがあるんですけど、
普通そんなところ出しませんから。。。
それより、銀だとモニター性が犠牲になる分と、15万アップ(!)を天秤にかけて、
普通のイエローベルで十分!という結論になりました。
あ、これを逃したらずっと後悔するということで、買いました。\(^o^)/

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栗林すみれトリオ@大阪ケリーズ 2015/9/19

2015/9/19

栗林すみれトリオ@大阪ケリーズ
個人的には、スミカナシュンと呼びたい。(^_^;)
一番の感想は、「あ、このサウンドが出せるのは、多分世界でこの3人が揃った時だけだな」ということでした。
すごいバンドでした。とても良かった。
アノトリオは初めてでしたが、改めてピアノのすみれさんは天才。
曲の前奏が圧倒的にすごい。ハーモニーがほんとグッときます(^ω^)
自分の言葉で自分の世界を作り上げるところは、小島良喜さんとタイプが似てると感じます。
ロディアスで、ダイナミクスをpからffまで幅広いところや、鍵盤の端から端まで縦横無尽に使うところも。
小柄で細身のかわいらしい姿で、いかにも得意そうな静かなバラードから、豹変してトランス状態で全力でピアノに殴りかかるような激しいアタックまで…((((;´・ω・`)))
いつもすごく楽しそうに弾くのがいいんです。
のだめカンタービレののだめが現実世界にいたらこんな感じだったのかなと。

石若君は、もうあえて言わないでも…
ドラムという枠を飛び越えてパーカッションみたいに感じます。とんでもない。

金澤さんのベースを聴くと、やっぱり今まで聴いたベースの中で一番好きだなと思います。
このぶ厚さは別格です。
他の人がどんなに細かいフレーズをかっこよく弾いたって、金澤さんのブーン…という一つの音の説得力にはかなわない。
曰わく
「こういうものを作ろうと決めてやったのではなくて、この3人でできるものを押し進めたら、こうなった。年齢は関係ない」
とのことです。
確かに自然で、作り物感はなかったです。
若きアラツーとベテランアラ還のトリオでしたが、ステージでは対等でした。
というか、アラツーの2人は、若いのにという形容詞が不要で、ただ単にものすごいだけです。
ぜひこれからもライブを続けてほしいバンドです。(^ω^)

スミカナシュンでのMy back pagesとかCantalope islandとか聴いてみたいなあ。
コジカナシュンやboysとは、また全然違う風になるんでしょう。
なんか、コジカナヤマもそうですけど、こういう風に笑顔でげんこつで殴り合って、世界でそこにしかないというライブをやってるのを聴いてしまうと、自分もアマチュアとはいえミュージシャンの端くれなので、憧れますよね…(´`)

ちなみに写真の下の、クリスチャン・マクブライドのドヤ顔が気になります。